インドネシアでは、ジャワ島とバリ島において2002年4月から農業指導をおこなっています。
『2002年からインドネシアで日本の技術による農業指導を行い「みょうが」と「いちご」の栽培を行っています。インドネシアの気候に合った野菜づくりの研究を重ね、インドネシアの農業の発展に協力しています』
10年前に“アジアの重病患者といわれたインドネシアは、東南アジアの中でも、経済的・政治的に、最も目覚ましい発展を遂げた国です。軒並みマイナス成長に陥る近隣諸国・地域の中で、2008年の経済成長率は6.2%と力強く成長しています。バラク・オバマ米大統領が幼少期に数年間暮らした国でもあります。
インドネシアは赤道直下に位置し、常夏で太陽が燦々とふりそそぎ、天然の果物や稲など豊かな自然に恵まれた国です。しかし物価は日本の1/10位であり、1か月1万円~2万円で働く人も多いのが現状です。
私たちは2002年からインドネシアで試験的に「みょうが」栽培を始めました。とくに「みょうが」は亜熱帯の気候に合っていると考えたからです。もちろん、それまでインドネシアに「みょうが」はありませんでした。日本から「みょうが」の根を運び、栽培技術を指導。インドネシアの新しい農業の開拓に期待しました。
しかし肥料や日照時間の差などの問題があり、4年間試行錯誤を繰り返しました。日本と同様の技術では育たなかったのです。それでもあきらめず研究を重ねた結果、5年目に「みょうが」の栽培に成功しました。インドネシアの気候からは「決してあきらめないこと」を学びました。
日本の農業支援により、「みょうが」と「いちご」は
インドネシアの国の産業発展の第1歩を踏み出したところです。
「みょうが」はいづれ日本へ輸出することを視野に入れています。
昨今、フードマイレージやバーチャルウォーター・自給率・フェアトレードなどが話題になっていますが
たとえば
1.日本の暖房をかけっぱなしの温室で、大量の水を使い、
海外からの輸入肥料を使って育つ日本産の農作物
2.海外の、その作物に合った土地で、雨や肥やしなど自然の力によって育てられ
現地の人の生活の糧になる農作物
とではどちらを選びますか?
これは極端な例ですが、少なからずこういう状況は起きています。
1、牛肉1kgつくるには、11倍の11kgの穀物の餌が必要。
2、豚肉1kgつくるには、7倍の7kgの穀物の餌が必要。
3、鶏肉1kgつくるには、4倍の4kgの穀物の餌が必要。
4、卵1kgつくるには、3倍の3kgの穀物の餌が必要。
日本では、肉やたまごは国産でも、その餌まで国内でまかなうことは、容易ではありません。
牛が食べる牧草を全部国内で賄おうとすると、
日本の田畑を全部牧草地にしても足りないぐらいの量が必要です。
自給率100%は遠い夢のようです。
私たちNGOは日本の農業の活性化を支援し、地産地消を推奨すると共に、
海外での農業支援にも力を入れています。
日本の技術で、農薬を使わずに自然の力を最大限に生かして育て、
海外の現地の人の生活の助けになる、安心でエコな作物。
それが地球を愛する人たちへの恵みと考えます。
私たちが定義するエコフードとは、国内・国外問わず、「環境とからだにやさしい食べ物」のことです。
日本の農業を活性化するのはもちろん、
海外の農業を助けることは、いずれ私たちの食生活を豊かにしていくでしょう。
私たち国際環境協力機構 (I-ECO)は、国内外の農業支援をおこなっています。